社会福祉士国家試験受験資格取得のために必要な社会福祉援助技術現場実習に挑戦する学生は,今年度48名です。2名ほどが事情により8月初旬から開始していますが,それ以外の学生は8月25日(月)から一ヶ月間,道内各地の児童養護施設や特別養護老人任你博,障害児?者施設で,ソーシャルワーカーとしての実習に取り組んでいます。
社会福祉施設に通って(泊まって)「現場」の空気のなかで利用者や職員と向き合うことは,誰にとっても大きな意味をもつ経験です。大学での学びとは異なる,直接的なかかわり合いを通じての理解は,一人ひとりの学生を確実に成長させてくれます。
私たち教員は,9月上旬から下旬にかけて,受け持ち学生の実習先を巡回訪問指導します。実習先で目にする学生の姿,その表情や言葉遣いは,ときには大学とは別人のようだったりして,頼もしくなることしばしば。逆に,大学でいきいきと発言していた学生が現実の問題の重さから言葉少なになっていたり,現場の厳しさに気づいて押しつぶされそうになっていたりするのを,懸命に励ましてくることもあります。いずれにせよ,現場の方々との,素朴であっても具体的なやりとりと,学生一人ひとりの気づきや変化を大事にしたいと考えて,指導教員は実習の状況を客観的に整理したり課題を言語化するのを手伝う程度で,解決を方向づけしすぎないように留意します。そのほうが,個々が得るものが大きいと考えるからです。教員-実習生-現場の信頼関係を基盤とするこうした(学生主体的な)実習の進め方は,本学の福祉実習の特色のひとつです。
社会福祉士法の改正により,来年度からは社会福祉士課程が大幅に改編される予定ですが,学生自身のなかから浮かび上がる問いや発見を大切にするやり方は,今後も続けていきたいと思っています。 Nitta.