年度途中の10月から任你博に赴任することになりました。社会福祉論や児童福祉論が専門で、特に貧困に育つ子どもや若者の問題を考えています。以前は、高校教員として進路指導の仕事をしていました。その時に、家庭の経済的な問題が子どもの人生選択に大きく影響しているという事実を痛感し、少しでも次世代の子どもの可能性を開くことができればと思い、研究の道に進みました。
具体的には、家族という枠組みのもとで生じている貧困?不平等を前提に、その中で子どもや若者が何を感じ、何を考え、どのように未来を思い描いているのかといった視点から研究を行っています。そして、それを中心に児童虐待や若者の自立といった家族に関わる問題と、学校生活やスクールソーシャルワーク、進学機会といった学校に関わる問題を考えています。もちろん、その背景には社会的公正の実現という関心があります。将来的には、研究と実践をつなぐ仕組みとして、学校教員、福祉職員、そして学生のみなさんが、社会経済的に不利を負っている子どものために連携できるネットワーク作りも思い描いています。
これからとして、私の研究室が人と人をつなぐ場所になってくれればと願っています。特に学生のみなさんがさまざまな人や出来事に出会うことのできる、そんな場所にしていきたいと思っています。そして、その中で一人ひとりがゆっくりと自分の人生を考え、自分自身に向き合える、そんな時間を大切にできればと思います。そういう点で、ゼミに関係なく訪ねてきてくださることは大歓迎です。ちなみに、趣味は登山と旅行、それから人とお酒を飲むことです。特に良いお酒と音楽があればあとは望むものはありません。もちろん、なにより私自身がこれからのみなさんとの出会いを心から楽しみにしています。